高嶺格:とおくてよくみえない@横浜美術館


横浜美術館での現代作家展というと、少し前の「外した」時の印象が強くて、どうも足が向かなかったのだが、帰りに横浜に用事があったので、ついでにみなとみらいまで乗ってもまぁ良いかなと。

結果的には、行って良かった。コレクション展の奈良美智ミニ特集(30点位)もお得感が有ったし。

横浜美術館


最初の「布地の作品」の辺りだけ、やけに大袈裟なキャプションが付いていたのは、そこまでが作者の展示でOK? …まさか、美術館による大真面目な説明じゃないよね?

正直その辺りではややがっかり感が強かったのだが、「物々交換」のビデオが面白くて、その後は割と高めのテンションで見ることが出来た。共有感覚が何とか…という文字を少しずつ照らすインスタレーションも照明が一周するまで見たし。

豊田市美術館での「近代の東アジアイメージ」展でいわばトリの位置を占めていた「Baby Insa-dong」に再び出逢って、これって高嶺格だったのかと初めて気付く。というか、その略歴を見ると、間違いなく私が見た展覧会が幾つか入っているんだけど、…何が出ていたのか思い出せない(というか覚えていない)。

まぁ、今回が作家に出会うタイミングだったのかと。

ところで、出会うといえば最初に出会う「作品」が、あの音の展示。ブラッドベリの「霧笛」を思い出す、やや物悲しくも騒々しい音が絶えないメインホール(結局、何の音?)。趣旨としては有りなんだろうけど、あれを期間中、聞かされ続ける館内の職員は、職場環境的にどうなんだろう…とちょっと思った(人間は慣れる生き物だし、すぐに気にならなくなるのかもしれないが)。